お子様のやる気に関して

 

私たちのレッスンを受けてくれているお子様のお父さん、お母さんからよく質問を受けるのが、「本人がなかなかやる気になってくれない」というものです。ここでは、子供たちの“やる気”について考えてみたいと思います。 

 

モチベーションを高く保ち続ける人の特徴を考えてみると、自分たちの意志で、その時々の“プロセス”を選び続けていると感じます。自分たちが目指す“一番の目標”に対して、今やるべきことをコツコツ積み重ねる。できなければ“一歩手前のステップに戻り”、どうすればできるか考え、淡々と“今やるべきことに集中”しているのです。一つ一つクリアすることで、“一番の目標”に近づいているという自信とやる気を得ているのだと思います。 

 

それでは“一番の目標”とは何でしょうか?それは“憧れの人物”の滑りに限りなく近づくことなのです。“憧れの人物”は、身近でもオリンピック選手など、遠くの人物でも構いません。こうなりたいという人物像がなければ、明確な目標は生まれにくいと感じます。実際、滑りも、滑走に関する考え方に関しても“芯がある”と私たちが感じるライダーたちに共通するのが“憧れの人物”の存在です。彼らはその“憧れの人物”のライディングに関して明確なイメージを持ち、そのイメージに近づくためのプロセスを重ねているように感じます。

 

余談ではありますが、フィギアスケーターの羽生選手は、スケートを始めた当初からロシアの金メダリスト、プルシェンコ選手に憧れ、髪型まで真似していたという話を聞きます。今となっては、プルシェンコ選手自身が羽生選手の演技をリスペクトするまでになっていますよね!先のコラムで触れた、スノーボードクロス競技のオリンピアン、藤森 由香プロは、自身が受けた雑誌のインタビューで、元スロープスタイル選手、天池 いずみさんについて言及する中で「いまだ日本の女子スロープスタイル選手で彼女を超えた選手はいない。彼女が切り開いた道に感謝し、そして自分が彼女のような存在に少しでも近づきたい。」というような趣旨の話をされていたのを目にし、やはり自分が近づくべき(超えるべき)明確な目標をもっていらっしゃるんだなと強く感じました。一つの雑誌インタビューでの話ですので、他にも憧れの選手はたくさんいらっしゃるとは思うのですが、少なくとも天池 いずみさんの滑りや切り開いた道は、彼女の目指すべき指針の一つになっていると感じ、個人的には熱いものを感じました…(天池 いずみさんは私が尊敬するライダーのひとりで、引退されてもなお鮮烈なイメージを与えてくれている元プロスノーボード スロープスタイル選手です。彼女こそが、スロープスタイル競技の第一人者です!) 

 

話は戻りますが、自分が目指す明確なライディングイメージ、すなわち“一番の目標”に対して、日々“目標設定”し、それをクリアにするためのプロセスを重ねる。“達成感の積み重ね”が本人をやる気にさせるのだと思います。しかも、人に決めてもらった目標ではなく、自ら考えてやると決めたことに対してしか、大人も子供も本気にはなれないと思います。誰でも、子供のころに立ち返ると、楽しくて、楽しくて、誰に言われたわけでもないのに、無心に打ち込んでいたことがあったはずです。ですので、お父さん、お母さんには、そのころの気持ちをぜひ思い出してもらえればと思います。 

 

「自分で決めて、自分でやる」ときには、練習後の分析を徹底して行い、“何ができて、何ができなかったか、なぜできて、なぜできなかったか、できなかったことをできるようにするためには何をすべきか”等を明らかにし、お子様自身に次回の練習メニューや目標を設定させる必要も出てくるでしょう・・・ 

 

ここまでくると、お子様が本当にやりたいことがスノースポーツでないと、お互いに大きな負担になりますので注意が必要です。 

 

私たちのキャンプでは、できるだけわかりやすく、負担にならず、お子様が楽しく真剣に取り組めるように考えた、「自己分析」や「目標設定」のためのツールを準備しています。もちろん、スノースポーツ以外にも有効ですので、年長者、競技者を目指すキャンパーさんにはぜひ活用してもらいたいと考えています。 

 

でも一番の“やる気”の元は、本人が「楽しむ」ことです。お子様の体力、集中力は大人とは違います。体力や集中力が欠けてきたら、そこでその日の滑走はやめるべきなのです。怪我のリスクが高まりますし、何より楽しくなければ続きません。集中力が切れてきたと感じたら、そこでお子様にやるかやらないか決断をさせてください。「やる」なら、あと1本と制限をつけた上で、“ゆっくり確実にできることをやる”ようアドバイスしてください。「やらない」なら、“今日何が良かったか、次は何をがんばるか”を確認して「よくがんばったね!」とほめてあげてください。本当に危険な場合は、本人が「やる」選択をしても「やめる勇気」も必要だと教えてあげてください。ここが一番重要かもしれませんが、お父さん、お母さん自身もそういった場合は「やめさせる勇気」を持ってください。小さな積み重ねは、必ず大きな結果をもたらします。その日の、その瞬間の結果に、一喜一憂する必要はありません!おとうさん、おかあさんがお子様と一緒に「楽しむ」ことも、大切なポイントですので、どうか焦らずお子様と一緒に楽しんで下さいね! 

 

「楽しいところでその日を終える」(特に小さなお子様の場合こちらが一番重要です)こと、「自分で決めて自分でやる」こと・・・これが、本人のやる気を促すポイントだと思います。もうひとつ、憧れのスキーヤー・スノーボーダーを見つけ、自分がなりたいと思うライディングイメージを明確にすることが重要であることはお伝えした通りですが、DVDや、Youtubeなどには、素晴らしいライディングをされるライダーの映像もたくさんあります。ぜひお子様のライディングに対するイメージを明確にするためにもご活用ください。(私たち自身も、自分たちの憧れのライダーの映像を確認することで、モチベーションを上げていくことが多々あります。) 

 

長くなりましたが、是非ご家族で素敵なスノーライフを楽しんでくださいね!